11/20  批判することなんか誰にでもできるっつーの

舞台には本来ルールがありません。犯罪にならない程度ですけど。

お客様が舞台を見て、楽しんでもらえたらそれでいいじゃないですか?


これは私の体験談ですけど、

高校の頃、学校対抗で演劇の大会があったんですよ。

全国大会です。地区大会で勝ち上がり、全国大会への切符を手にする仕組みです。


各学校が、夏休みを賭して稽古をしてきた珠玉の作品を披露しあう場です。

けっこうな規模で行われ、審査員には有名な俳優さんも来たりしました。


私の参加した地区でもそうでしたが、各地区には全国出場常連校みたいなものが存在し、
確かにレベルの高い作品を毎回見せてくれます。

作風はとにかく真面目!

舞台はエンターテインメントというモットーを持つ私はディズニーショーとかが大好きで
そんな私には少々退屈な作風です。

で、常連校が毎回そんなもんだから他の高校もそれに擦り寄るんですよね。
みんな真面目!!笑

舞台演劇の常套手段というかセオリーというか、脚本もセリフ回しもみんな似たような
感じになってしまうんですよね。
一つ一つ努力は伝わるし、面白くないわけではないですよ。
ただ、それが続くと飽きる、、、


そんな中、1つの学校がとんでもない作品を披露してきたんです。

真面目な高校生が集うその大会の中、

「エロがこの世を救う!この世はエロだ!」と言い放つヒーローが活躍する
超下品な作品をぶつけてきたのです。

稽古もちゃんとやってきたのか?みたいなくだりも多々ありました。

「おい!次はお前のセリフだろ!」「え?あ…ああ。」みたいな。ww

もう全編爆笑ですよ。会場中が。

終わる頃にはもう会場も一体となって大拍手。

残念ながら他の高校には無い反応でした。(うちも含め…)


大会が終わり、審査発表の時が来ました。

勝ち上がったのは、そのエロ演劇を披露した高校ではありません。

真面目な常連校です。


ただし、審査員の一人のある有名声優さんが言いました。

「悔しいね。僕は(エロ校に対して)君たちが圧倒的に面白かったし、新しい世界の
 開拓者だと思う。今回は申し訳ないが、我々がまだ君たちに追いついてない。
 これからもそのスタイルを貫いてほしい、いつか世間が君たちに追いつくと思うよ。
 本当に悔しい。個人的に。」


私も同じ意見というか、とても共感しました。
少なくとも私の周りに居たお客様たちも大きくうなづいたりしてました。


勝ち上がった高校が舞台で表彰を受ける際の拍手は小さいものでしたし、
私の後ろに座るお客様二人組がこう言ってたんです。


「この学校、どんなのやってたっけ?」

「さあ。(笑)」

 

楽しませた者こそが本当の勝者。

真の感動を与える、本物の役者だと思います。


ただ、悲しいことに真面目な人たちってこうゆうのをボロクソ言うわけですよ。
おそらく周りの反応も見えてないんでしょうね。